エスプガルーダ2

 

エンディング

 

※アゲハ

 

ツバメとジャノメの融合体から光が溢れ、
轟音と共に二人の体は粉々になって消滅した。

アゲハ
『俺は、年端も行かない子供たちを殺してしまった』

『セセリ…おまえもそれで良かったのか…』

膝をついて崩折れる悔やんでも悔やみきれない表情のアゲハ。

『お兄ちゃんがそんなんでどうするのよっ!』

タテハがいつの間にかアゲハの背後に立っていた。

タテハ
『落ち込んでいてもしょうがないわ、築こうよ平和な世界』

『私たちの力で…きっと大丈夫だよ…ねっ』

タテハは優しくアゲハを抱きしめた。

アゲハ
『そうだな…俺はどうかしていた』
『タテハ…俺は…』

見つめあう二人の頭上では、
二羽の蝶が優しく舞っていた。

 

 

※タテハ

 

タテハ
『居たっ!子供たちだっ』

施設の中枢が破壊され、
今まで自由を奪われていた子供たちが倒れている。

タテハ
『すぐ助けてあげるよ、みんな』

手を差し伸べるタテハに光が宿り、子供たちが眼を覚ます。

タテハ
『良かった。みんな無事ね。これからは私が守ってあげるからね』

泣きながら駆け寄る子供たちの前で、
タテハは最高の笑みを浮かべ…

その内面、消えていった妹の事を想っていた。

『セセリ…私たち、どうしてこんなになっちゃったの?
もっと分かり合えたはずなのにね…』

サンプルを失った聖霊機関は能力を失い、
そして静かに消滅していった。

 

 

※アサギ

 アサギ
『あんたたち!逃げなさい、今ならまだ間に合うわっ』

アサギの呼びかけも虚しく、
融合が解かれたツバメとジャノメには、
もう生きる力は残されていなかった。

ツバメ
『これからは誰にも邪魔されないんだ、お姉ちゃん…』

ジャノメ
『ずっと一緒ね、もう離さないよっ…ツバメ…』

二人の体から淡い光が溢れ始め、
ゆっくりと崩れてゆく。

アサギ
『バカな姉弟だわ、ホントに…
あれ程止めたのに聞かないんだから…』

普段は悲しみを見せない
アサギの頬に熱い涙が伝った。

アサギ
『ガルーダの力なんてあったって、何も生み出せないのね…
あたしなんて…消えてなくなればいいのよ!』

そう言い放ったアサギの手の平から
凄まじい量の粒子が解き放たれ、
轟音が響き、アサギの体ごと
飲みこむ程の強い衝撃が響き渡る。

聖霊
『さぁ行こう…アサギは良くやったよ…』

粒子は大きな一つの塊となり実験施設を直撃。
聖霊機関は壊滅し、そして子供たちは星となった。
 

 

 

 

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